サツマハオリムシ(4-12)

サツマハオリムシ(4-12)

サツマハオリムシの簡単な紹介です。

サツマハオリムシ(4-12)

サツマハオリムシ

ハオリムシ科
生息地:鹿児島湾の一部の海域

 

サツマハオリムシはゴカイの仲間で
1993年2月に
錦江湾の水深82mで発見されました。

 

自ら作った棲管と呼ばれる管の中に体をおさめ
先端からは赤いえらだけを出しています。

 

口も胃もありませんが、
体内に共生している細菌が
取り込んだ硫化水素イオンを栄養分に変えて分け与えてくれるため
餌を食べなくても生きていくことができます。
このような生物は「化学合成共生生物」と言われています。

 

錦江湾のサツマハオリムシは水深82〜110m付近の泥地に群生し、
場所によっては巨大なコロニーを作って暮らしているそうです。

 

錦江湾のサツマハオリムシは
海底下深くに蓄積したメタンに由来する
硫化水素イオンを利用して生きています。

 

錦江湾を形作ったはるか昔の火山活動によって発生し蓄積されたメタンが
「たぎり」と呼ばれる海底火山から噴き出す火山ガスとともに
サツマハオリムシが暮らす場所まで引き上げられてくるためです。

 

そのため、サツマハオリムシは
たぎり周辺にのみ生息しています。

 

このような錦江湾の特殊な環境が
ハオリムシの仲間としては世界で最も浅い場所にある
サツマハオリムシの群生地を作り出しています。

 

水槽では、共生する細菌に硫化水素イオンを与えるため、
硫化ナトリウムの水溶液を少しずつ時間を決めて滴下しているそうです。